〈4つの小道具、甘い日々。@ピアス〉


  ***

  
     「じゃぁ、オレにもしてv」

     「おめーにはムリだわ。やめとけ」

     「やーだ。痛くないって、ゆったじゃん。蛮ちゃんしてよ。ねぇねぇ〜」

     「だー、うっせ。そーいう問題じゃねんだよっ
      んなセリフは違うコトおねだりする時までとっとけっつーの」

     「もぉ〜。そんときはそんときで、ねだるからさぁ。お願い〜」 

  
   
   こうして部屋住みをするようになってから
   銀次はオレの日常的な行動に首を突っ込んで来るようになった。

   ワガママってのとは少し違う。
   要は、普通の生活をあんまし知らねー銀次にとって
   オレのやることが、いちいち好奇心の対象になるらしい。
   そんで、限りなく同じことをしたがる。

   かわいーじゃねぇか。

   ・・・とか思ったのは最初だけだ。手をヤくことの方が多い。


 ***      


   風呂上がりに洗面所でピアスを付け直してっと、
   歯を磨きに来た銀次が、鏡越しに見つめてきた。
   オレ様に見とれてんのかと思ったら(なーんてな)

   
     「それ・・・痛くないの?蛮ちゃん」


   だとよ。

              
     「あ?」

     「だって、耳に刺したでしょ?ピアス」 

     「何言ってんだおめーは。一度穴開けて定着すりゃあ、なんてコトねーだろ」

     「・・・そうなの?」



   んで、『オレにもして』って、あの騒ぎだ。


     「あのなー」

     「うん」 

     「喰えばキズが治んだろ?おめーは」

     「うん」

     「んじゃ、まずムリだ。穴開けたってすぐ塞がっちまう」  

     「うぅー」

     「だいたいおめーが電撃使えば、ピアス飛んじまうだろーがよ」

     「・・・そんなぁ〜」


   そう言って目を伏せる。・・・この顔が、手をヤく原因なんだわ。
   コイツのこんな顔見ちまうと・・・らしくねェな。オレ。

   オレに出来ることならテメーにも出来る、とかって思い上がってんなら
   殴って済むんだけどよ。
   コイツの場合オレと同じことしたいってのは、なんつーか銀次なりの
   親愛の情っての?
   
   しかも、たいがいのことは、オレに言やぁ何とかしてくれる・・・ってよ。
   ホンキで思ってっから始末に負えねェ。

   だがしかし。
   さすがはオレ様だ。上手くあしらう方法を、すぐさま考えついた。

  
     「しゃーねェな。オレ様がなんとかしてやらぁ」

     「ほんと?ねぇ、ホント?」

     「そこに座ってな。今準備すっから」

     「あいv」


   素直にソファーへ腰掛けた銀次の背後にまわって
   上から覆い被さってやった。



     「ば・・・蛮ちゃん、何してんの」

     「んー?位置を決めてんだよ」


   そう言って銀次の肩にアタマを乗せ、指先で左の耳たぶをなで上げてやる。

     
     「なぁ、銀次。片耳でいいよな?」

     「んあっ・・・くすぐったいよ、蛮ちゃん」


   おーおー。相変わらず、感度イイぜ。
   コイツの望みをかなえるフリして、オレ様も、楽しむ。

        
     「・・・ガマンしろって・・・」


   右側には、低く言ってやる。


     「んっ・・・・・・」


   そんで。こーしてやる。

     
     「あ・・・今の、何?なんか耳がヒヤッとした」  

     「見るか?」

     「うん」


   
   鏡を渡してやった。


     「どうよ?」

     「うぅ〜〜〜(ピシッ)ばんちゃーん(ピシピシッ)」


   ククッ。おもしれェ。
   まぁ、マジックペンで耳たぶに赤い丸を描いたかんな。
   そりゃ、拗ねるだろよ。  

   
     「なんだよコレー。もうっ!」

     「似合ってんぜー銀次v」

     「しかも油性じゃん、コレ!」



   つまりだ。
   ちょいと怒らせて。そんで、なだめる。



 ***



     「気に入らねーのか?んじゃ、消すか」

     「知らないっ」


   隣に座って、作戦開始だ。


     「ほら、消してやっからこっち向けって」

     「オレのコトからかって、蛮ちゃん楽しい?」

     「かるい冗談じゃねーか。んな怒んなよ」

    
   銀次の顔を両手で挟んで振り向かせると、耳たぶに舌さきをあてた。


     「あっ・・・」


そのまま軽く噛み、次いで強めに吸ってやる。

  
     「あぅ・・・なにしてんのさ」

     「ラクガキ・・・消してんだよ」  

     「や・・・んっ・・・」

     「・・・ちゃんと、消してやる・・・」



   ワザと耳だけ攻めていると、銀次が切なげな吐息を漏らす。
   ・・・抵抗しなくなった。      

   
     「ん・・・ばんちゃ・・・も・・・いいから」

     「よかねェって。・・・それともイイってことか?」

     「何言って・・・んっ」



   押し倒して、唇を塞ぐ。
   銀次が口を開くまで、強く、何度も口付ける。


     「おめーをからかうよりも、抱く方が楽しいに決まってんだろが」

     「蛮ちゃんって、ズルい」

     「ピアスより、コッチをおねだりしな。さっきそう言ったろ?」

     「・・・蛮ちゃんって・・・ズルい」

     「・・・ピアスはムリでも、おめーによく似合う・・・

      赤い印を付けてやっから・・・」

     「も・・・知らないっ!勝手にしてしてっ!」



   銀次がギュッと抱きついて来た。
   『勝手にしてして』・・・かよ。んなこと言われたら、マジで・・・。
   知らねーぜ?オレも。



 ***

   
   〜翌朝の会話〜

    「・・・何で消えてねーんだ?ソレ」

    「蛮ちゃんが付けてくれたんだもんv
     もったいなくて、消せないよ〜」

    「・・・自分の意志で、キズ治さねェとか、出来んのか?」

    「うんv耳のここんトコだけ電気流さないようにしてたら、
     出来ちゃったのv」


    
    「でたらめだな」

    「だって!これはキズじゃないもん。蛮ちゃんが
     付けてくれたアイのアトだもんっ!」

    「バカなこと言ってねェで、早くな・お・せ!
     んで、本物のピアスつけろっての」

    「イヤvオレ、コッチの方がいい〜」



    「ぎーんーじぃ〜」




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  ははは。また、美堂サンの
  おノロケ独白文になってマスねぇ・・・。

  でも、コレは、シリーズ仕立て(笑)
  次は銀次のハナシになる予定・・・デス。

  小道具をキーワードに、2人の甘い日常を書く。
  憧れのサイト様で拝見しまシテ・・・。
  こーいうのも、すっげ〜やりたかったのデスv
  (とてもとても、及びもつかナイ!)
  
  コンセプト、まねっこして、ごめんなサイ。

  ・・・あんまし、甘々になってナイなァ・・・。


   2003.08.16 by 真。

 

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